女性ホルモンが原因となる病気とは?女性ホルモンが影響して出る症状について解説!

女性ホルモンは、性腺刺激ホルモンが働くことで体内に分泌されますが、ライフステージによってその分泌量は変化します。初経を経て徐々に分泌量は増え、年齢を重ねてある一定の年齢に差し掛かり、閉経が近づくと分泌量が一気に減少に転じます。この一連の女性ホルモンの増量や不足が、さまざまな症状を招くのです。今回は女性ホルモンが原因となって出る、さまざまな症状を解説していきます。

 

「思春期」に起こりやすい病気

一般的に女性ホルモンの分泌が活発になるのは、初潮を迎えて以降の「思春期」と呼ばれる時期からです。12歳頃~17歳ごろまでの成長の途中にあって、女性ホルモンの分泌によってどんどん体が女性らしくなっていく、多感な時期でもあります。若いので病気とは無縁であるかといえば、かならずしもそうではありません。

 

思春期によく起こる、女性ホルモンの影響で起こる病気の中心は「月経トラブル」です。たとえば月経痛は、初潮から年月を経れば経るほど、その程度は軽くなっていきます。若ければ若いほど月経痛がより痛くなるとされているのは、身体が十分に発育していないからです。場合によっては月経困難症といって、日常生活に支障が出るレベルになることもあります。

 

そのほかにも月経に慣れていないぶん、月経前の不調などがより顕著に表れるのもこの時期です。こうした不調は「月経前症候群」だったり、「月経前不快気分障害」だったりと、と明確に病名がついているものもあります。こうした症状が実感できている場合は決して無理をせず、早めに医師の診察を受けましょう。

 

「性成熟期」に起きやすい病気

体の成長がある程度成熟し、大人の身体になったら「性成熟期」と呼ばれる時期を迎えます。一般的に18歳~45歳くらいまでの長い年月にわたるこの時期は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が最も盛んな時期で、いわゆる妊娠適齢期になります。この時期はある程度月経が安定してくる時期であると同時に、エストロゲンの些細な増減によって月経不順も起こりやすくなるなど、トラブルにも体が敏感に反応する時期です。

 

現代社会において、女性の晩婚・晩産化は増加の一途をたどっております。また少子化も進み子どもを作らない女性も増えていることから、女性が生涯経験する月経の回数もそのぶん飛躍的に多くなってきています。そうしたことから昔よりも月経不順などの月経トラブルが多いことと同時に、子宮関係の病気も増えているのです。

 

キャリアウーマンというように社会に積極的に進出し、子どもも作らない女性が増えているぶん、こうした月経や子宮の不調をただのストレスの表れだと放置する人も増えている傾向にあります。なかなか妊娠しない不妊症、お腹の赤ん坊が育たない不育症などの、病気の可能性もあるのです。

 

しかし不妊症の原因にもなる子宮内膜症や子宮筋腫といった病気は、治療をかならず必要とする重要な病気です。放置しておくと子宮全摘で、一生子どもが作れない体になってしまいかねません。働き盛りで子どもを作るにも最適なこの時期だからこそ、女性ホルモンが原因となり起こる病気には気をつけましょう。

 

女性ホルモンが不足する「更年期」ことで起きる症状

ここまでは女性ホルモンが多く分泌されている時期でしたが、おおむね45歳を過ぎてくると、女性ホルモンが一気に減少する「更年期」と呼ばれる時期に突入します。そして49歳ごろに、閉経を迎えることになります。女性ホルモンが減るとどのような弊害があり、どういった症状が出てしまうのでしょうか。

 

更年期に入ると、卵巣の機能が低下することでエストロゲンの分泌量が少なくなっていきます。それまで性ホルモンの働きによって健全に保たれていた自律神経系が、分泌量の減少と共に不調となっていくのです。

 

この不調によって、たとえばのぼせや冷え・頭痛、イライラ・動悸・めまいなど、さまざまな症状が全身に現れるようになります。これを「更年期障害」といい、中高年の女性にとって一度は悩みの種になるであろう、さまざまな不調(不定愁訴)が襲う時期となります。

 

とくに自律神経系の乱れに関しては日々の生活の些細なところにまで影響を与えてくるので、なるべく症状を緩和させるべく早めに医師の診察を受けましょう。

 

閉経後の「老年期」は骨粗鬆症にも注意!

実は女性ホルモンは女性機能を高めるだけでなく、骨や筋肉・皮膚など、身体の根幹や表面の状態のよさも保っている働きがあるのです。それが閉経によって失われると、一気に女性の身体はもろくなってしまいます。

 

とくに閉経後の女性にみられがちなのは、「骨粗鬆症」です。エストロゲンによって保たれていた骨の代謝が、一気に沈静化してしまうのがその理由です。そのほかにも、エストロゲンには血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きもありました。しかしそれが失われることで、動脈硬化などの生活習慣病を招くリスクもあります。

 

またエストロゲン減少によってうつ病など、精神的な病気を発症する可能性も増大します。

 

まとめ

今回は女性ホルモンの影響によって生まれる、さまざまな症状を一通り紹介してきました。ホルモンバランスというのは心理的な要素が色濃く影響してきますので、些細なことで乱れる可能性があります。女性ホルモンが減少する更年期に、とくに自律神経系の乱れが起きやすいといえます。しかしそれ以外の時期でも、不調を感じたら早めに医師の診察を受けることが大切です。

 

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