東洋医学におけるツボにはどういうものがある?刺激することでどのような効果が期待できるかも解説!

古来中国や日本で重要視されてきた「東洋医学」では、主に「経絡(けいらく)」と「ツボ」が、その根幹を成しているキーワードといえるでしょう。古代中国より続く東洋医学の理論にもとづき、主要な経路に位置するツボを押したり、刺激したりすることで体調改善へとつなげてきた歴史があります。

 

今回は、この東洋医学における「ツボ」について、どういった考え方にもとづいているのか、どのような種類があって、どういった効果があるのかを解説していきます。

 

東洋医学における「ツボ」とは?

 

東洋医学とは古代中国に端を発し、2,000年以上の歴史を誇る医学理論のことです。中国を中心に発展し、朝鮮や日本にもその医学が伝わって、極東地域において大きく発展していきました。江戸時代には西洋医学も伝わってきましたが、今でも鍼灸治療やあん摩マッサージ指圧治療には、東洋医学が用いられています。

 

そうした東洋医学の治療の中でも根幹といっていいキーワードが、「ツボ」です。ツボというのは東洋医学において、病気等の治療点であると同時に、診断点としても機能する場所をいいます。特定のツボを押すと痛みがあるといった場合に、どういった症状なのかを見出せるといわれています。

 

漢字では「経穴」や「阿是穴(あぜけつ)」といい、経穴は内臓など身体内部に由来する反応点です。また阿是穴は、筋組織の損傷における反応点です。人間の身体には360余りのツボがあるとされています。

 

「ツボ(経穴)」と「経絡」とは?

 

「経穴」とは具体的にいうと、全身を巡る「経絡(けいらく)」と呼ばれる、気血の流れる経路のなかの、要所要所に位置する駅のような存在です。五臓六腑の「精(生殖・滋養)・気(四気)・血(血液)・津液(体液)」が集まる場所でもあり、不調の際はこれらが滞る場所でもあります。

 

ツボは身体のどこに不調があるのかを探るための、チェックポイントのような存在であるのです。さらに全身を巡る経絡上に位置するツボを精細にたどっていくことで、原因となる不調に行きつくというのが東洋医学の考え方となっています。すなわち「体の内側の不調はツボ=体表部に現れるもの」です。こうした考え方によって、体表部から刺激を与える鍼灸治療が発展してきた歴史があります。

 

現代医学においても、この仕組みの一部は解明されつつあるのです。たとえば胆石症の場合では、背中の右側にコリや痛みを発したり、右肩に放散痛を生じたりすることが知られています。

 

ツボの例①:身体内部の症状と関係の深いツボ

 

さきほども少し触れたように、ツボはあらゆる身体の不調を知らせ、また治療するためのポイントとして身体と密接な関係があるのです。

 

たとえば膝下付近、脛骨のすぐ外側にある「足三里(あしさんり)」と呼ばれるツボは、足の主要なツボとされています。このツボは「足の陽明胃径」と呼ばれる代表的な経絡のひとつに存在し、昔から胃に関係するツボとされてきました。

 

胃もたれや胃痛・食欲不振に効果を発揮し、胃腸の働きを促し、気の流れをよくする効果があるとされています。このツボに関しては実際に、鍼をすることによって胃の働きが活発になることがNHKで報道され、現代医学においてもそのつながりが証明されました。

 

またとくに女性に対して効果が知られているツボとして、「三陰交」があります。足のくるぶしから指先4つ分ほど上の場所にあるツボで、3本の経絡が交わる場所にあるのです。駅でたとえるとターミナル駅のように、重要なツボとなっています。別名を「女性の三里」というように女性特有の症状や悩み、たとえば生理痛や生理不順・不妊・冷え性などに効果があるとされています。

 

ツボの例②:身体の痛みと関係の深いツボ

 

ツボには五臓六腑など身体の内部の症状に関係するものと、運動による筋組織の損傷など外的な痛みに関係するもののふたつがあることを説明しました。ここからは後者について説明していきましょう。

 

まず代表的なツボとして、腰の痛みやぎっくり腰などに関係するツボを紹介しましょう。こうした腰全般の動作に関係するツボには、足にある「臨泣(りんきゅう)」「申脈(しんみゃく)」「衝陽(しょうよう)」、手にある「中渚(ちゅうしょ)」があげられます。

 

「臨泣」は足の薬指と小指の付け根の骨が交わるところにあるのです。足の骨は実際に体表にみえているものより長いので、付け根は指数本分離れた位置にあります。ぎっくり腰のように腰を動かしたり曲げたり捻ったりすることが難しい場合に、刺激を与えるとよいとされているのです。

 

反対に「中渚」は、手の薬指と小指の付け根の骨が交わる場所にあります。効能は臨泣と同じく腰の痛み改善にありますが、それだけではなく腕や肩の痛みにも効果が期待できるツボです。

 

「衝陽」はとくに腰の前後の動きに対して、効果が期待できるツボです。足の人差し指と、中指の骨の付け根に位置しています。「申脈」はくるぶしのすぐ下にあり、腰を後ろに曲げる際に効果が期待できるのです。

 

まとめ

 

今回は東洋医学におけるツボについて、その理論の基礎に立ち返りながら、例もあげつつ解説しました。古代中国から現代まで脈々と受け継がれているツボの考え方は、実際に一定以上の効果を生み続けてきたからこそ伝わってきたものといえるでしょう。なんとなく不調を感じるときには、気になる部分に関わるツボについて調べてみてもよいかもしれません。

 

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