不妊には漢方が効く?不妊の症状に効果の期待できるおすすめの漢方薬をご紹介!

子どもが欲しいと妊活に励んでも子どもがなかなかできず、医師の診察を受けたら不妊症だった、というケースは少なくありません。なぜなら明確な病気でなくても、普段の生活のなかで心身共にストレスを受けているだけでも、不妊は起こりうるからです。妊娠とはそれくらい尊く、デリケートなものであるのです。

 

そういった不妊に効果の期待できる、漢方薬があるのをご存じでしょうか。今回は不妊に効果が期待できる、漢方薬について解説していきます。

 

そもそも「不妊」とは? 

 

不妊とはどういった状態を指すのでしょうか。まずは簡単に振り返っておきましょう。

 

不妊とは日本産婦人科学会の定義によれば、「適切な期間(おおむね1年程度)、適正年齢(とくに女性は閉経前であること)の男女が避妊をせずに性交渉を継続的に行っていても、妊娠がみられない状態」を指します。通常の健康状態に問題のない男女が避妊せず性交渉を行った場合、3か月でおおよそ50%が、6か月でおおよそ70~80%が、そして1年ではおおよそ90%が妊娠に成功します。そのため適切な期間を1年と見積もっているわけです。

 

しかしそうした期間をおいても妊娠がみられない場合、ある程度高い確率で不妊症となっている場合がありえるのです。

 

不妊が起きる原因とは?男女双方それぞれに原因がある

 

それでは不妊というのは、なぜ起こってしまうのでしょうか。

 

妊娠という主体的な機能を有しているのは、女性のみです。しかし妊娠という過程を適切に経ていくためには、男性の精子がなければなりません。女性単独で妊娠ができない以上、不妊になる原因は女性のみにあるのではなく、男性にある場合も当然ありえるうえに、男女双方にある場合もあります。女性のみにある場合もありますが、かならずしもそうではないことをまず認識しておきましょう。

 

男女双方に不妊の要因になる要素としては、大きくわけて以下の3つの要素があります。

 

①性機能に問題がある

②遺伝子や精子・卵子などに問題がある

③妊娠を助ける身体機能に問題がある

 

たとえば①の場合では、男性の場合は造精機能が停止あるいは減少している、女性の場合は排卵障害があるといった原因が考えられるのです。②の場合では、男性では精子内の染色体異常や精子の形態異常、精子が排出された時点で死んでいる、などが考えられます。

 

また女性では黄体機能不全(ホルモン分泌が不足している)、といった場合が考えられるのです。③の場合では男性では精管閉塞や前立腺の炎症・勃起不全が考えられ、女性では卵管狭窄や子宮の病気(子宮筋腫など)などが考えられます。

 

不妊には心理的要因も色濃い

 

近年では、精神的な問題が身体機能に多大な影響を与えることが、さまざまな分野でわかってきているのです。

 

たとえば精神的なストレスを長く抱え続けている場合、それが潜在的なものであったとしても、心の奥底に緊張を常に与え続けることになります。そうした状態が続くとすぐに影響を受けるのが、ホルモンバランスです。

 

女性の場合、性腺刺激ホルモンなど排卵に必要なホルモンが適切に分泌されない状態が起こりえます。そして男性の場合は、勃起不全や精子が作られなくなるような状態になってしまうこともありえるのです。

 

とくに妊娠というのは親となるふたりだけの問題ではなく、互いの両親や親族などの多くの期待を背負っている状態になってしまうことも珍しいことではありません。心的ストレスには抑圧だけではなく、「期待に応えようとするプレッシャー」も含まれるものです。そうしたことから病気ではなく、思わぬ心的ストレスが原因となっている可能性もあります。

 

妊娠や月経のトラブルにも漢方が効果的?不妊に効果のある漢方薬とは?

 

上記のように、不妊には精神的ストレスが要因となること、精神的ストレスがホルモンバランスの乱れを起こすことがわかりました。そうした全身症状としてのバランスの乱れに対して、昔から効果を発揮してきたのが「漢方薬」です。

 

漢方の世界では、女性の妊娠に際して「気血を巡らせて、体をしっかりと暖めること」が重要であると考えられてきました。たとえば自律神経の乱れによって、慢性的な冷え性を発症していた妊婦さんが、なかなか妊娠しないことが起こっていた場合がありました。その場合に冷えを解消し、身体を芯から暖めるような漢方薬を服用するようになって、不妊が解消されたという例もあります。

 

重要なのは、「気血」という体内の気の流れ、血の流れは精神的ストレスや病気によって停滞することです。自律神経系は漢方における気血によくたとえられるように、全身を巡っており、ひとたび乱れると全身にさまざまな症状を起こしてしまいます。そのなかのひとつに、冷え性があるのです。

 

妊娠を促すために排卵誘発剤を処方することがありますが、そうしたもので体調不良を招いてしまう場合もあります。そうしたとき症状を改善するために、漢方薬が使われることがあるのです。

 

種類は患者さん個々の状態により異なりますが、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という「産婦人科の三大漢方薬」のひとつを処方することは少なくありません。当帰芍薬散は、血の巡りをよくして体を暖め、冷えを解消する効果があります。産前産後の貧血等の不調を改善する効果が期待できる漢方薬で、月経不順や更年期障害にもよく用いられるのです。

 

まとめ

 

今回は不妊に効果の期待できる漢方薬について、不妊の原因も掘り下げながら解説しました。漢方の世界では、一人ひとりの状態によって違った薬を与えるのが一般的です。そのためかならずしも、記事内に出てきた漢方薬が有効とは限りません。

 

妊娠というのは両親の健康状態が思いのほか、大きな影響を与えます。西洋医学的アプローチがあわない人も一定数いますので、場合によっては漢方という手段も検討するべきといえるでしょう。

 

千葉県幕張・都賀の調剤薬局「ありす薬局」では、処方薬の調剤だけではなく、さまざまな健康食品の販売を行っております。またアロマテラピー・ハーブティー教室など、多様な側面から患者さんの健康を考える土壌が整っています。とくに漢方に関しては特効薬というものはなく、一人ひとりによって処方する薬も違えば整えるべき生活習慣も違うのです。まずは個別の漢方相談からでも、ぜひ一度お気軽にご来店ください。