眼精疲労には漢方が効果的?眼精疲労におすすめの漢方薬を解説!

ITが仕事だけでなくプライベートの生活にも深く浸透した昨今において、目の疲れというのはもはや現代病の一つと呼ばれています。軽い症状ならよいのですが、辛い眼精疲労まで発展してしまうと、容易には治らなくなります。辛い眼精疲労にすでに悩んでいる方は、漢方に目を向けてみてはいかがでしょうか。今回は漢方の種類や特徴、そして眼精疲労に効果が期待できるおすすめの漢方薬をご紹介します。

そもそも「眼精疲労」とは?

単なる「疲れ目」のことを、眼精疲労と思っている人もいるかもしれませんが、正確には眼精疲労は単なる疲れ目とは違うものであります。疲れ目は眼精疲労の原因の一つでしかありません。

眼精疲労とは一時的なものではなく、目の疲れが慢性的に続くようになる病気です。また、それに加えて首や肩や背中や腰や頭が痛むなど、全身に症状が広がっていくため、早期の治療が必要になります。

通常疲れ目や目の痛みなどは一時的なもので、数日もすれば回復するものとなっています。しかし眼精疲労にまで発展してしまうと簡単には治らない状態になってしまうのです。そして悪化していくと、精神的なストレスにも直結していき、身体・精神共に病んでいくことになってしまいます。

あまり知られていない?「漢方」と目の関係とは?

眼精疲労になってしまったとき、あまり「漢方」と結びつける人は少ないのではないでしょうか。

世間においても、漢方と目との関係はあまり知られていないかもしれません。しかし漢方は古来より中国を中心に発展し、全身のあらゆる症状に対して治療や対処を行って発展してきました。

ちなみに現在では日本の伝統医学のことを総称する言葉としても使われています。その理論や考え方は古代中国より伝来したもので、一般的にいう東洋医学とも密接に関係しているのです。

目に関係が深いのは「肝」と「腎」!

漢方において、目と密接な関係があるのは「肝」と「腎」です。ただし漢方でいう「肝」は肝臓のことではなく、「腎」も腎臓のことではありません。

「肝」は、漢方でいう「精・気・血・津液」における「血」を貯蔵する場所であります。現代医学に例えるなら、身体全体を調節する自律神経系や感情の調節を司る脳の機能を総称するものです。性質としては大樹に例えられ、大地より吸い上げた「精」を「気血」に変換し、身体の隅々まで届ける役割があります。中国医学では「肝は目に竅(あな)を開く」というように、「肝の不調が目の症状に直結する」と古くから考えられてきました。

「腎」は「精」を貯蔵する場所であり、性質としては根に相当します。大地の養分である精を吸い上げ、腎が貯めた精はやがて血へと転化し、これを肝が全身に運ぶのです。また不調によりストレスがかかることで気や血が不足したとき、肝は腎に貯蔵されている精を血に転化して補うとされています。そのため腎もまた、目の症状と関係が深いことになるのです。このように肝と腎は、関係性が深いことから「肝腎同源」といったりもします。

眼精疲労に対して効果が期待できる漢方薬とは?

それでは眼精疲労に効果が期待できる漢方薬には、どういったものがあるのでしょうか。さきほども説明した通り、眼精疲労のような目の症状に対しては肝と腎の不調がその根本となっています。そのためこのふたつと関係性が深く、両方の改善が期待できるような漢方薬を選ぶとよいでしょう。

例えば「滋腎明目湯(じしんめいもくとう)」は、肝・腎における血・精を補い、ストレスや不調の原因となる風熱を取り除く効果が期待できます。特に目の疲れや痛みの改善効果が期待できるので、眼精疲労にぴったりの漢方薬です。また、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」は肝血・腎精を補い、特に高齢に伴う腎虚の不足を補うことで知られています。老眼起因の眼精疲労だけでなく、ドライアイや糖尿などの目に関する症状全般に対しても効果が期待できるのです。

生薬では「菊花(きくか)」や「枸杞子(くこし)」、「地黄(じおう)」などが目に効くといわれています。

まとめ

今回は眼精疲労と漢方の関係やおすすめの漢方薬などを解説してきました。漢方は伝統医学であり、現代医学とはその理論や考え方が大きく異なります。単におすすめの漢方薬を試してみるだけではなく、なぜ目によいとされるのか、その仕組みにまで目を向けるとより的確に漢方を選べるようになることでしょう。

千葉幕張・都賀の「ありす薬局」では、現代医学による処方をもとに治療薬を調剤しています。また、漢方など多彩なアプローチから患者さんの健康を考えていく体制を整えています。特にアロマテラピーやハーブティーといった、効能が多様なものも取り扱っているのです。伝統医学も現代医学も同列に扱い、漢方に関する個別の相談にもお応えしています。健康に関するお悩みがある方や漢方の選び方に不安がある方はぜひ一度ご来店ください。