不眠で辛いけれど睡眠薬は飲みたくない方におすすめ!漢方の世界をご紹介します

ストレス社会ともいわれる現代。不眠の悩みを抱える人は少なくありません。健康な体を保つには質の良い十分な睡眠が必要です。免疫力低下にもなってしまう睡眠不足ですが、不眠でつらいけれど、睡眠薬に依存することは怖いという方は多いでしょう。そんな方におすすめなのが漢方です。

 

どんなものなのか、不眠に対してどんな効果が期待できるのか、漢方の世界をのぞいてみましょう。

 

不眠って?

睡眠は、3時間寝れば元気に動ける人もいれば、8時間寝ても疲れが取れないと感じる人もいる個人差が大きいものです。「眠れなくて辛い」「眠くて日常生活に支障がある」ということがあれば、これは不眠と判断できるでしょう。

不眠の種類としては大きく三種類あります。寝つきが悪く30分以上寝られない「入眠障害」、途中で目が覚めてしまいそこから眠りにつけない「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早期覚醒」です。これらの症状が、大体3週間以上続き、辛い状態であれば不眠と判断できます。またいくら寝ても熟睡感が得られないなども不眠です。

 

 なぜ不眠になる?

どうして不眠の症状が出るのでしょうか。まずは環境の要因があります。振動や騒音のようにわかりやすいものから、実は寝具が体に負担をかけている場合や、部屋の明るさによって眠りを妨げられていることもあります。

 

次は肉体的な要因です。痛みやかゆみ、病気で眠れないことがあります。処方されている薬の影響で覚醒されるということもあります。

それから精神的な要因です。ストレスや不安から神経が刺激され、常に緊張状態になってしまうことで眠りが妨げられます。ひどくなると、うつ病や神経症などの心の病気も不眠の原因になってきます。そのほかアルコールやカフェインの影響、年齢が上がるにつれて眠りが浅くなり熟睡が得られないことが起こってくるのです。

 

改善するには?

環境の影響や生活習慣が要因となる不眠は、この日から生活を見直していけば改善が見込めます。かゆみや痛み、薬の副作用に関しては、専門の医師に相談することで症状をよくすることが期待できるでしょう。

悩ましいのは心因性、ストレスが原因だという不眠です。心の病気にもつながる可能性もありますので、慎重に対処が必要です。また高齢が原因というのも、辛いのにこれといった解決方法がなく改善が難しいものでもあります。

不眠症は薬物での療法も可能です。処方箋の必要な睡眠導入剤や、睡眠薬の主流になっているベンゾジアゼピン系は大変即効性があります。また睡眠改善薬は、薬局でも買える手軽なものです。しかしそういった薬に頼ることを躊躇する患者さんも多く、服用している患者さんも睡眠薬の離脱や、減量を目指す方も少なからず見られます。そういった背景で注目を集めているのは漢方の存在です。

 

漢方の効果

睡眠薬は睡眠を誘発しますが、漢方薬は睡眠薬とは違います。漢方は不眠が起こる原因を解消するように働きかけを行うものです。

興奮状態で眠れないのなら興奮を収める必要があり、不安で眠れないなら不安を取り除く必要があります。自然な眠りの妨げとなるそれらの心因的な要因さえも、体のバランスを整えることで正していくことが可能です。

 

不眠は、漢方医学の世界で体を構成すると言われる「気」「血」「水」、そして五臓六腑のバランスの乱れから起こるとされています。どの部分の流れや状態が悪いのかを見極め、それをただすのに見合った漢方が処方されます。

 

不眠におすすめの漢方

 

では具体的にどんな漢方があるのでしょうか。代表的なものを見てみましょう。

 

加味帰脾湯

 疲れやすく眠りが浅い人に処方されることが多い漢方です。消化器のはたらきを助けることで、足りない「血」を改善します。不安や緊張を取り除き、気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。

 

桂枝加竜骨牡蠣湯

イライラや緊張、不安でなかなか寝付けない人に処方される漢方です。「気」の巡りをよくし、神経過敏になり興奮した状態を正常に戻す働きをします。

 

酸棗仁湯

睡眠リズムが乱れ、夜間に目が冴えてしまう、眠りが浅く夢をよく見る、熟睡できない症状の改善に用いられる漢方です。体力が低下して心身ともに疲労している人に適しています。入眠がスムーズにできないタイプの不眠には効果は薄いとされます。

 

加味逍遙散

女性特有の症状で眠れないときに処方される漢方です。「血」が不足してたまった「気」が熱に代わり、さまざまな不快な症状を引き起こします。熱を冷まし不足した「血」を補い、「気」を巡らせて体のバランスを整えていきます。中高年女性のイライラやのぼせなどの神経症状を落ち着かせるのです。

 

このようにひとつ不眠の薬といっても、漢方の場合は働きかける場所によってさまざまな種類が存在します。自分はなぜ眠くならないのか、よく自分自身でもわからないことも多いでしょう。知識のある医師や漢方専門家のいる薬局などで問診の上、相談に乗ってもらうとよいでしょう。

 

まとめ

漢方には不眠だけではなく全身の状態を改善するちからがあります。その分、睡眠という一か所のみに対しての効果は睡眠薬より劣ります。より自然なかたちで睡眠という整理活動を行えることを目標にしているのです。

 

「ありす薬局」では、漢方を多数取り揃えております。わからないことがありましたら気軽にご相談ください。不眠だけでなく体の不調全体に関しても、改善するお手伝いをさせていただきます。お待ちしております。