不眠が引き起こす疾患とは?健康を害してしまわないために

不眠症は思うように寝付けなかったり、小刻みに起きてしまってぐっすり眠れない疾患のことです。それだけでも非常に辛いのですが、不眠症が続くことによって、二次的疾患が引き起こされることをご存知でしょうか?不眠を改善しなければさらに健康から遠ざかってしまいます。そこで今回は不眠が引き起こす疾患についてご紹介します。

 

高血圧

高血圧というのは、血圧が正常な数値を上回った状態で維持されている状態のことを指します。一般的には塩分のとりすぎや喫煙、飲酒や運動不足などによってなりやすいとされている疾患です。そもそも血圧というのは、血液が通り道である動脈を押し広げようとする力で、高血圧になってしまうと最悪の場合命を落としてしまいかねない危険な状態となります。

 

高血圧を原因とする代表的な疾患は脳卒中や心筋梗塞です。いずれも死に至る可能性が非常に高いことで知られており、命が助かったとしても麻痺や言語障害などの後遺症が残ってしまう可能性も高く、できる限り発症を避けなければなりません。一般的には血圧の上限が20mmHg上がることにより、脳卒中などのリスクは2倍上昇すると言われています。

 

不眠によって何故高血圧になってしまうのかというと、人間の体は睡眠によって自律神経の一種である交感神経が休むことで、血圧が低くなるように自然と調節される仕組みになっています。しかし、不眠によって夜眠れない状態となると血圧が下がらないまま朝を迎えてしまいます。

 

すると、下がっていない状態のまま朝の血圧も高くなってしまうのです。その状態が繰り返されることで徐々に血圧が底上げされていってしまうというわけです。また、眠れないことによるストレスが血圧の上昇にさらに拍車をかけてしまいます。

 

うつ病

不眠とうつ病は深いつながりがあるといっても過言ではありません。うつ病患者は往々にして不眠の症状も抱えてしまうからです。そのためうつ病の治療として不眠の改善が優先されているほどです。そして、不眠によってうつ病を発症してしまうことにもなります。

 

うつ病ですが、いまとなっては現代病として多くの方がご存知かもしれませんが、具体的にどういった症状があるのかまではあまり知られていないかもしれません。基準としては以下の症状が2週間以上継続しているかどうかになります。

  • 思考力が低下する
  • 何事に対してやる気や興味がわかず無関心になる
  • イライラして落ち着かない
  • 自分には価値がないと思ってしまう
  • 生きていたくなくなる

 

うつ病は脳の機能障害と言われており、発症してしまうと日常生活に大きな支障をきたします。仕事はおろか外出もしたくなくなるため、一人では生きていくことすらままならなくなる恐れがあるのです。

 

そんなうつ病がなぜ不眠によって引き起こされてしまうのかというと、寝起きの倦怠感がまず挙げられるでしょう。ぐっすりと眠ることが出来ないことで寝起きから疲労感が全身に広がります。睡眠前と同じか悪化しているわけですから当然気分は沈んでしまいます。

 

不眠は毎日続きますので、寝起きのたびに鬱々とした気分を味わうことでうつ病へと進行してしまうというわけです。

 

一度うつ病になってしまうと、完全に改善することは非常に困難と言われています。治療法はありますが、鬱々とした気分になりやすい性分であることはそう簡単に変わるものでもありませんので、改善されたとしてもふとしたきっかけでまた再発してしまう恐れがあるからです。そのためいかに発症しないようにケアするかが重要となるでしょう。

 

糖尿病

糖尿病は生活習慣病の一種で、現代病と言われています。最悪の場合、腎不全や心臓病、足の切断や失明といった非常に重い病気へとつながるリスクがある恐ろしい病気です。食生活や運動不足などによって発症しますが、不眠もその原因の一部となるのです。

 

血液の中にはブドウ糖が含まれており、ブドウ糖が一定以上増えてしまうことがないように通常は膵臓から出るホルモンであるインスリンによって制御しています。しかし、このインスリンが不足することでブドウ糖の増殖を抑えることが出来ない病気が糖尿病なのです。

 

膵臓がインスリンをほとんど作ることができなくなる1型と、膵臓が作るインスリンの量が足りないあるいは作用しない2型の2タイプあり、一般的な糖尿病は2型を指します。

 

不眠がこの糖尿病をどうして引き起こしてしまうのかというと、夜型生活になってしまうことが挙げられます。不眠症状が出るとよる眠ることができず起き続けてしまい、夜食などを食べてしまう可能性が上がるでしょう。夜の食事は肥満へと繋がり、その結果インスリンの分泌量が減ってしまい糖尿病を発症してしまうというわけです。

 

肥満

これは先述の糖尿病になる原因に含まれていることでもあるのですが、不眠によって夜型の生活になってしまいやすくなります。起きているだけではやはりお腹もすきますので、ついつい食事をしてしまうでしょう。更に睡眠時間も十分ではない状態が続き、連日夜食を口にし続けることによって、徐々に脂肪が膨れ上がっていき肥満体型となってしまうのです。

 

肥満になるのは簡単ですが、痩せたり元の体型へと戻すのは至難の業です。強い精神力や継続した運動が求められますので、生半可な覚悟ではできません。不眠によって引き起こされる病気はたくさんありますが、肥満になることでそれらのリスクも高くなってしまいます。とくに高齢になるにつれて命の危険も増すため注意が必要です。

 

まとめ

不眠が引き起こす疾患はどれも深刻です。一つ一つに注意を払っているとそれだけでストレスになってしまいますので、なによりも根本原因である不眠を改善することが重要と言えるでしょう。

 

不眠治療には漢方薬が有効となります。ありす薬局では漢方薬の取り扱いの他、相談の受付も行っておりますので、不眠にお悩みでしたらまずはご相談ください。